研究室の活動

本研究室で進めている研究では、自分のアルゴリズム・理論をプログラムとしてして実装し、計算機シミュレーション・数値計算などを通して性能評価や理論の検証を行います。プログラミングは、主にC, C++, matlabを利用します。また、研究によってはmathematicaも頻繁に利用します。一番身につけて欲しい「問題解決に向けて自分で考え進める」経験を積める環境を作るよう心がけています。

4年生の視点からみたときの研究室の行事は以下のようになります。

  • 研究室に配属されてすぐには、「ミニ研究課題とその発表」を通して、計算機環境に慣れるとともにプレゼンテーションの練習にも取り組みます。これには、研究室の先輩からアドバイスが色々もらえると思います。
  • 4年生の前期では、研究に必要な知識を輪講や論文調査を通して身につけていきます。また、研究テーマに繋がる基礎実験等を進めていきます。大学院を受けるひとには7月から入試までは、そちらに集中してもらっています。
  • 大学院入試後に本格的に研究をスタートします(就職希望のひとはもう少し早くスタートします)。研究のベースとなる論文を読み込むとともに、計算機実験の準備を進めます。
  • 夏休み明けに研究室内での研究進捗報告会を行います。
  • 10月〜12月ごろに他大学研究室との合同中間発表会を行います。
  • 12月〜2月は卒業研究の追い込み時期です。

修士課程の学生の場合には、以上に加えて学会発表などが大きなイベントとして入ってきます。

研究を進める上でのアドバイス

指導方針

和田山 正

本研究室における指導方針は次のとおりです。研究を進める上で必要な「基礎的な力」を学生時代にしっかり伸ばし,本質を見極める目を養っておくことが社会に出てからの活躍に繋がると考えています。

基礎力を身につける

自分の研究分野に関する必須の基礎知識,論理的思考力, 情報収集力, 自分の考えを正確に他の人に伝える表現力, 粘り強さなど研究プロジェクトを前に進めていくためには、様々な力をつけていく必要があります。また、社会に出てからこれらの力は様々な局面で要求されます。下記の取り組みを通して基礎力を伸ばします。

  • 全体ゼミ(週1回): 研究成果報告・論文紹介.....研究室メンバー全員の前でプレゼンテーションを行います。 また学外発表の前には, この場で発表練習を行うことがあります。またゼミでは、積極的な質問を奨励しています。 これは、社会に出る前に「質問力」も十分に伸ばしておいて欲しいと考えているからです。
  • 輪講(週1回): 英語の専門書を輪読します。速読よりも精読に重きをおき、「精密に理解する」ということを実感してもらいたいと思っています。
  • グループディスカッション(隔週): 研究成果報告・検討.....論理的かつ分かりやすい説明を求めています。自分のアイデアや計算結果をどうすれば、うまく伝えることができるかを考えつつ試行錯誤することが重要だと考えます。
  • 論文執筆指導: 論理的できちんと整った文章を書けるようになっておくことは、重要な社会的スキルでもあります。かなり赤を入れられて原稿をやり取りすることになりますが、社会人になる前に一度はそのような経験を積む必要があると思っています。
  • 発表指導: 特に外部で発表する場合には、どこで発表しても恥ずかしくないレベルまで十分に発表指導します。
  • 英語力: 輪読・学術論文報告や英語プレゼンテーション(国際会議)、英語論文の執筆を通して、 英語力を伸ばしてもらえるようにしています。もちろん、一定レベルに達するためには自主努力が欠かせません。

自分で主体的に研究プロジェクトを進める力をつける

研究テーマの方向付け、研究内容に関するアドバイスはもちろん行います。しかし、自分で深く考える機会を作るために、また自発的行動を期待してアドバイスを控えるときもあります。ひとつのプロジェクト(=問題解決プロセス)で成果を出す、という経験を積んでほしいと考えています。

  • 自分のテーマ、として研究を進めてもらいたいのでひとりづつテーマがかなり違います。テーマについて相談しながら決めていきます
  • 個別ディスカッション(随時): 研究内容について、突っ込んだ議論をします。
  • 自分でアイデアを出すことを強く奨励しています。
  • 学生のときには、そう簡単に解けない問題に取り組んで欲しいと考えています。そのほうが、将来、簡単に解決できない課題にぶつかったときにどう振る舞えばよいのか、というメタ戦略を学ぶチャンスになります。
  • 研究成果は、最終的には「学術論文」という形にまとめ上げてプロジェクトが完了となります。 自分の論文が世界の知識を(ほんの少しでも)拡大した感覚を経験して欲しいと思っています。

学外における切磋琢磨

本学の外にでる機会が重要です。特に学外での研究発表は、実力・モチベーションアップのために非常に重要な、言わば武者修行の機会だと捉えています。ユニークな研究成果が出た場合には、外部での発表を薦めています。学会としては下記に出すことが多いですが、研究テーマによってはまったく異なる場所で発表することもあります。

  • 国内会議: 電子情報通信学会 総合大会, ソサエティ大会, 情報理論研究会
  • 国際会議: IEEE International Symposium on Information Theory, IEEE Information Theory Workshop など

このような場で、他大学の学生や教員と交流することで視野が広がるとともに研究の位置付けについての理解が深まると考えています。

学会活動以外にも、企業インターン・海外留学も視野を広げるために良い機会ですので、推奨しています(どちらも実績有)。また、研究テーマによっては企業との共同研究に参加することもあります。

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